(社)アテ平和交流会から招待を受け、「刻む会」から共同代表の井上と事務局長の小畑が出席した。日本からはプロレスラーだった故「力道山」夫人や元皇族の梨本さん、朝鮮学校でボクシングを教えている飯田幸治さん等多彩な顔触れで、9名が同行した。
26日午後から開催された大会は、韓国京畿道、フィリピン政府各界の代表等から歓迎の挨拶があり、続いてアテの安会長は「日本軍の性奴隷とされた方々に対し、日本国の誠実な謝罪が必要であり、ユニバーサルな人権的課題としてとりくむべき」とあいさつされた。
続いて、北側代表があいさつにたち、マスコミの取材も最高潮に達していたが、この辺からは日本語同時通訳がうまく反映されず、ハングルに不慣れな私たちは最後まで雰囲気でしか体感できず、発言内容はほとんど理解不能となり残念でならない。
特別ゲストとして、日本軍の性奴隷とされた「イ・ヨンス」ハルモニとフィリピンのハルモニが登壇し、日本政府の誠実な謝罪を求め、やり場のない怒りに時に声を荒げながら発言されていたが、後の交流で「イ・ヨンス」ハルモニと触れ合うことができた。
「刻む会」からは小畑事務局長が長生炭鉱遺骨問題について、事故の概要、活動の紹介をし、遺骨を犠牲者の遺族に返すため直接日本政府との交渉を始めたが、元「慰安婦」の方々の救済も含め、日本政府のあり様を糺すためにも「ファン・ボーベン報告書」に基づいた戦争被害者救済に関する国際法を早急に設定することが必要であると訴えた。
印象的だったのは、フィリピン空軍軍曹から「フィリピンでは今も敵と戦っており、一方で交渉もしているが、教育と仕事の提供が政府として必要と感じている」と発言があり、翌日マニラ市内で、日本の戦後のようなバラック地帯を何か所も目の当たりにして、フィリピンという国が持つ格差の問題「貧困」が深刻な課題であることが感じ取れた。
アテの国際大会は多種多様な出席者で構成されていた。一番の環境問題とされているプラスチックごみを粉末化して木の粉末と混ぜて燃やし発電に変えるというクリーンな環境を研究されている博士や、済州島の地場産業の発展に貢献している元僧侶の方など、アテ国際大会の「平和と繁栄」というテーマにふさわしい参加者のように思った。戦争を商売の道具にするのではなく、平和があってこそ共に繁栄をという理念のもと、この集いは市民はもとより事業者へと広がっていくのだろうと思う。
(写真は「慰安婦」とされた韓国、フィリピンの女性たち)